こんにちは、yukiです。
数年前、テレビでアグネス・チャンの子育てを特集している番組を見ました。
3人いる息子さんのうちの一人も出演されていたのですが、母親であるアグネス・チャンと楽しそうに話をしていて、とても仲良さそうな姿が印象的でした。
その番組の中で、特に強くわたしの心に残ったエピソードがありまして。
子どもがまだ小さい頃、アグネス・チャンが青椒肉絲を作っていたとき、ピーマンを入れてここから一気に仕上げ!というタイミングで子どもに質問されたことがあったそう。
ここで火を止めたらピーマンがしなってしまうことは分かっていたけれど、子どもの興味や関心に付き合うことの方が青椒肉絲を美味しく作ることよりも大事だからと火を止めて、とことん子どもの話に付き合ったというエピソードが紹介されていました。
「もう少しで完成するからちょっと待って」「あとで聞かせて」と言うのではなく、手を動かしながら聞くのでもなく、手を止めて子どもに向き合うという選択をした理由は「青椒肉絲が美味しくできるより、子どもの方がずっと大切」だから。
そりゃあどんな親にとっても青椒肉絲より子どもの方が大切だけれど、それでもあと数分で料理が完成するというタイミングで質問されて、そこで手を止めるというのはすごいな、と。
この話には軽く衝撃を受け、こんな親に育てられてみたかった…という気持ちさえ湧いてきました。
青椒肉絲の話はひとつのエピソードですが、ここにアグネス・チャンの子育てへの姿勢が詰まっているような気がして、自分が子育てをするようになったら彼女の子育てについて知りたいと思っていたんです。
それからしばらくはすっかり忘れていたけれど、先日何かの拍子にふと思い出し、著書を読んでみました。
言われてみれば、その番組の中で息子が優秀という話も出ていたような気がしなくもないけれど、まさか3人いるお子さんが全員スタンフォード大学へ行っていたとは!
彼女のように「わたしは教育ママです」と宣言するつもりは毛頭ないものの、子どもに向き合う姿勢にはやはり学ぶべきところが多く、自分自身に取り入れたいと感じた箇所を3つに絞ってレビューします。
本の概要
著者
アグネス・チャン
歌手・エッセイスト・教育学博士。1955年、香港で六人兄弟の四番目として生まれる。72年「ひなげしの花」で日本歌手デビュー。上智大学国際学部を経て、カナダのトロント大学(社会児童心理学)を卒業。85年に結婚、翌年の86年に長男を出産。89年、米国スタンフォード大学教育学部博士課程に留学。留学中の89年に次男を出産。94年に教育学博士号(Ph.D)を取得。96年に三男を出産。以降、芸能活動ばかりでなく、エッセイスト、日本ユニセフ協会大使、日本対がん協会「ほほえみ大使」、香港バプテスト大学の特別教授など、幅広く活躍している。
スタンフォード大に三人の息子を合格させた50の教育法(Amazon)
出版
- 出版社:朝日新聞出版
- 発売日:2016/3/7
内容
息子3人をスタンフォード大に合格させたアグネス・チャンの子育てエッセイ。幼児期から、大学受験まで、生活、勉強、思春期の接し方などを余すところなく紹介。わが子を生きる力のあるグローバル人間に育てたい親必読の書。
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1. 本の内容を他人に説明させる
読み聞かせだけでなく、私はいつも「次は君がママに読んでね」と絵本を読んでもらうようにしていました。自分で声に出して読むと、内容がより頭に残ります。そして読み終わったら、今度は「パパにその本の内容を説明してね」と頼むのです。人に説明するためには、よく内容を理解して短く伝えないといけないので、とても良い頭の体操になります。
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わたし自身、親から絵本をたくさん読んでもらい、読書が大好きになったという経験があるため、まだ視力がほぼないと言われている0歳1ヶ月の頃から読み聞かせを続けてきました。
初めの頃は当然反応はまったくなく、目が見えるようになってからも一向に興味を示さない…という時期もありましたが、1歳7ヶ月の今では本を読んでもらうことが何よりも大好きで、ちょっと時間ができると自分で本を選んでは持ってきて、わたしや夫の膝に座るまでになってくれました。(寝る前の読み聞かせは平均15冊)
今回取り上げたのは、読み聞かせの一歩先。
本の内容を、他の人へ説明することについて書かれた部分です。
自分が読んだ本を人に説明するには、いくつかのステップを踏む必要があります。
- 本を読むことができる
- 内容を理解することができる
- それを自分の言葉にまとめることができる
- 最後に、他人に伝えることができる
このすべてができるようになって初めて、自分以外の人に物語の説明をすることができるんですよね。
大人にとってでさえ、読んだ本の要約や感想を人に伝えるのってなかなか難しいと感じることもあるので、語彙が少ない子どもにとってはさらにハードルが高いこと。
理解力、想像力、要約力、言語化力などあらゆる力を駆使して、さまざまな壁を乗り越えて初めて達成できることでもあるので、引用箇所にも書かれている通り、よい頭の体操になるだろうなと感じます。
文字が読めるようになったら、本の内容を自分の言葉で説明してもらうよう声をかけていきたいと思っています。
2. 自分で本を読める楽しさを伝えたい
ひらがなが読めるようになると「ママ、本を読んで!」と頼まなくても、自分で好きなだけ本が読めるので、息子たちは嬉しそうでした。
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「ひらがなが読めると自分で本を読める」という箇所を読んだとき、ハッとしました。
これまであまりにも当たり前で意識したことなんてなかったけれど、本をひとりで読むためには「文字を読める」ようになるという段階を踏まないといけないんですね。
大好きな本を、好きなときに自分で読むことができるというのは、娘にとってものすごく楽しいことだろうなぁと想像すると、ひらがなを覚える手伝いをしたいと強く思うようになりました。
著者の息子さん3人は、なんと3歳、2歳半、2歳のときにひらがなをマスターしたそう。
ひらがなを覚えるなんてまだまだ先のことだと思っていて、いつ頃覚えるのが普通……みたいなことさえ考えたことがなかったけれど。
あと数ヶ月後にはひらがなが読めるようになるお子さんもいるということは、ひとつの参考にさせてもらおうと思いました。
最近の娘(1歳7ヶ月)は数字をなんとなく数えられるようになったり、シナぷしゅで流れる50音の歌を「ああああああ〜いいいいいい〜」とたまに口ずさんだりする感じ。
でも、一回しか読んでいない本の内容を覚えているなど記憶力がついてきたと感じることも増えてきたので、わたしに余裕があるときにちょっとトライしてみるのもありかなぁと思ったりしています。
3. 思春期に入る前に、ホルモンの仕組みを教える
息子たちが9歳くらいから、私は思春期に向かっての準備をし始めました。まず最初にホルモンの仕組みを教えるのです。
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思春期に入る前に、子どもたちへホルモンの仕組みを伝え、イライラしたり、泣きたくなるなど感情のコントロールができなくなること、そういうときの対処法なども伝えておいたことで、3人の息子さんにはいわゆる「反抗期」と呼ばれるものはなかったそう。
この考え方には、目から鱗がポロポロとこぼれ落ちるほどの衝撃を受けました。
自分自身が思春期の頃はもちろん、この歳になるまで一度も考えたことがなかったけれど、思春期という体も心も大きな変化を迎える未知の時代に突入するにもかかわらず、何も準備をせず丸腰で臨むというのはなかなか無謀…というか行き当たりばったり感がありますよね。
ホルモンが与える影響やその仕組みを事前に学び、心の準備をしておくことは、その先に来る大きな波をうまく乗り越えるため、子どもにとっても家族にとってもかなり重要なことだと感じました。
わが家でも、子どもが思春期に入る前には、ホルモン教育をしっかり行いたいと思っています。
まとめ
今回は、アグネス・チャンの「スタンフォード大に三人の息子を合格させた50の教育法」をご紹介しました。
「教育ママ」宣言ではじまり、スタンフォードを目指すなんてわが家には関係ないわ……とちょっと引いた感じで読み始めたものの、読み進めるにつれて著者の息子たちに対する愛情の深さがこちらにも伝わってきて「子どもへの愛情は、有名人でも一般人でも同じなんだなー」と、身近な先輩ママから話を聞いているような親近感を感じるまでに。
書かれているすべてに対して共感!というわけではないけれど、声かけや対話の仕方、子どもにとことん向き合う姿勢、愛情の示し方など、わが家にも取り入れていきたい!と感じた部分はたくさんありました。
あらゆる年代のお子さんを持つ方におすすめ!
このレビューが、どなたかのご参考になれば嬉しいです^^
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