こんにちは、yukiです。
昨年、元アメリカ大統領であるバラク・オバマさんの妻、ミシェル・オバマさんの本の評判を聞き、手に取ってみました。
この本では、元ファーストレディという立場にいたミシェルさんが育った家庭や幼い頃の日々のこと、白人の中で過ごした経験、オバマ元大統領との出会い、ホワイトハウスでの出来事……などが、その時々の感情とともにかなり赤裸々に書かれています。
「こんなことまで話して大丈夫?」と余計な心配をしてしまうほど、あらゆることをあまりにも正直に語られるミシェルさん。
その言葉や繰り広げられるエピソードにどんどん引き込まれ、この本を読み終えたときには完全に彼女に魅了されている自分がいました。
\そのときの感想はこちら/
そして昨年、そんなミシェルさんの新刊が出たとの情報を得て、やっと読み終えることができました。(『マイ・ストーリー』に続いてかなり分厚い本です)
この本を読み、個人的に印象に残った箇所を、感想を交えてご紹介します。
- ミシェル・オバマさんに興味のある人
- 子どもとの向き合い方のヒントを得たい人
- 心に不安を抱えている人
本の概要
著者
ミシェル・オバマ
2009年から2017年までアメリカ合衆国ファーストレディを務める。プリンストン大学とハーバード大学ロースクールで学んだのち、シカゴの法律事務所シドリー・オースティンで弁護士としてキャリアを歩みはじめ、そこで将来の夫となるバラク・オバマと出会った。その後、シカゴ市長のオフィス、シカゴ大学、シカゴ大学病院で働く。若者が公共部門でのキャリアに備えられるよう手助けする団体〈パブリック・アライズ〉のシカゴ支部を立ち上げた。著書に、世界的ナンバーワン・ベストセラー『マイ・ストーリー』(邦訳2019年)。
心に、光を。(Amazon)
出版
- 出版社:KADOKAWA
- 発売日:2023/9/26
内容
元米国ファーストレディが語る、不安の多い世界との向きあい方。
58年、わたしは不安を抱えて生きてきた。
場ちがいだ、ここにいるべきじゃない、誰もわたしを気にとめていない。まわりから浮いている。
でも、ちがう。どんな世界に暮らしたい? 誰を信頼する? 子どもはどうやって大人になる?
人生の大きな問題に、わかりやすい解決策なんてない。不安を抱える人たちに、心から安らげる場をもたらしたい。
自分の世界を少し広げるために、リスクを取ることを恐れない。
誰かといっしょに自分の問題を考えることには、意味がある。さあ、心の中にある光を、見つけよう。
心に、光を。(Amazon)
1. 目の前の小さくて確実なものが心の安定になる
編み物をするなかで、わたしは学んだ。人生のさまざまなことと同じで、大きな答えにたどり着く唯一の方法は、小さな編み目を一つひとつつくっていくことだ。編んで、編んで、また編んで、ひとつの段が完成する。一段目の上に二段目を編んで、二段目の上に三段目を編んで、自分が望んでいたものが見えて、新しい作品が手のなかで形になる。
心に、光を。(Amazon)
アメリカにおける有色人種初のファーストレディという、一般の人には想像もつかないようなプレッシャーを日々感じながら過ごしてきたであろうミシェルさん。
背負っていたものの大きさを考えると気が遠くなりそうだけど、とにかく相当なタフさが必要だったことは間違いなく、そんな役割を8年間も務めあげた彼女には当然ながら強い精神が宿っていると思っていました。
でも。
そんな彼女でさえ、新型コロナによるパンデミックが起きたときには、自分を保つのが難しいほどの精神状態になったそう。
そんなとき、ただただ手を動かし続けることで少しずつ形になっていく編み物に救われる瞬間があったといいます。
ミシェルさんという手が届かない場所で生きている人でさえ、同じような気持ちになることがあると知り、体と心は深くつながっていることを改めて感じました。
2. 大人の笑顔が与える影響の大きさ
ノーベル賞作家の故トニ・モリスンさんの言葉が引用されていたのですが、こちらの言葉がとても印象的でした。
「自分の子どもでもほかのだれかの子でも、子どもが部屋に入ってきたら、あなたは明るい笑顔になっていますか?」
「それが子どもたちの求めていることです」
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ありのままの子どもを受け入れることはとても大事なこと。
そんなこと、誰かに言われなくても分かってるし、そういう自分でありたいという願いは心からのものです。
でも、日々忙しく過ごす中で、子どもをただ受け入れるということが難しい瞬間も、もちろんある。
子どもが部屋に入ってきたとき、子どもの身なりをチェックしたり、ちゃんと支度が完了しているかを見るのではなく、まずは明るい笑顔で、その子がそこに存在することを喜ぶ。
身近な大人の表情が、子どもが自分自身に対して持つ印象を左右するとしたら、わたしたちの何気ない表情って実はものすごく大事なんじゃないか、と思ったりしました。
このフレーズは、これからの自分にじわじわ効いてきそうな気がしています。
3. パートナーにすべての役割を求めない
バラクもわたしも、お互いの人生の”すべて”になろうとしたことはないーー相手が必要とするケアをひとりですべて背負いこもうとしたことはない。わたしの話や考えをバラクがひとつ残らず聞いてくれるとは思っていないし、すべての心配事にいっしょに対処してくれるとも思っていなければ、日々の楽しみやしあわせを一手に引き受けてくれるとも思っていない。わたしも彼のためにそれをすべてしたいとは思わない。その代わりに、わたしたちは重荷を振り分けている。ほかの人たちからも心の支えと安心をもらっている。
心に、光を。(Amazon)
こういうパートナーシップって理想。
頭では理解している気がするけれど、改めて文字で見ると、本当にその通りだなと思います。
パートナーのすべてを支える必要はないし、わたしのすべてをパートナーに満たしてもらう必要もない
わたしには友人もいるし、実家の家族や会社の同僚もいます。
それなのに、生活を共にし、いちばん身近な存在という理由からどうしても甘えが出てしまい、あらゆることをパートナーに求めてしまうことがあります。
パートナーとはいえ、ひとりの人にすべてを求めるというのは無理な話。また、相手のすべてを背負う必要だってないという考えも、自分の中に改めてしっかりインストールしておきたい考えだと思いました。
4. 子どもの自立には親の関わりが欠かせない
完璧にできないことも結構あったけれど、重要なのは、やろうとしていたことだ。誰も代わりにやってくれない。母は手出ししなかった。まちがいを正すことはなかったし、わたしたちのやり方が母のやり方と少しちがっても否定しなかった。わたしが初めて力を経験したのはこのときだと思う。信頼されて何かをするのは楽しかった。
「小さいときにまちがいを犯すほうが、子どもには楽だからね」最近このことを尋ねたとき、母は言った。「まちがいを犯させる。そして、そのことで大騒ぎしたらダメ。騒ぎたてたら挑戦しなくなるからね」
心に、光を。(Amazon)
『マイ・ストーリー』でも感じたけれど、ミシェルさんのお母さんって本当にすごい人。
親の過干渉が問題だと言われる現代において、限りなく正解に近いやり方で子どもに接していたのがミシェルのお母さんではないだろうかという気がしています。
理想の母、子どもの自立についてのヒントを知りたい人は、このパートだけ読めば、欲しい答えが書かれているかもしれません。
わたし自身の備忘のため、印象的だった部分を残しておきます。
- 大きく寛容な心で子どもを観察する
- 子どもが間違っても騒ぎ立てず、冷静に接する
- 子どもをひとりの人として接する
- 子どもが自分で身の回りのことをできるよう最低限のサポートをし、そのあとは見守る
- 必要な手助けがないか尋ねる
- 自分で論理的に考えられるよう導く
わたしが自分の子どもに対して心がけたいと思うことの多くが含まれていて、何度も読み返したいと思うパートでした。
まとめ
今回は、ミシェル・オバマさんの「心に、光を。(Amazon)」を読んで感じたことをまとめてみました。
強く、賢く、まっすぐ。
その生き様に触れるだけで、勇気が出たり、気持ちが奮い立ったり、元気をもらえる。
今後の活躍をずっと追っていきたいと思える女性を見つけることができて嬉しいです。
このレビューが、どなたかのご参考になれば嬉しいです^^
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