「反省させると犯罪者になります」岡本茂樹 | 自分に向き合う機会を奪わない

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こんにちは、yukiです。

先日、受刑者の更生支援を行っている岡本茂樹さんという方が書かれた本、「反省させると犯罪者になります(Amazon)」を読みました。

犯罪を犯してしまった人が真に反省するためには、簡単に「反省させてはいけない」というのが、現場で更生に関わってきた著者の主張。

そのメソッドは犯罪者の更生のみならず、子どもの教育にまで応用できるとも提言されています。

実際に累犯受刑者(複数回の犯罪を犯した受刑者)と対話をしてきた経験を通して、本当に効果があると著者が考えたメソッドが根拠とともに書かれているのですが、わたし自身のこれまでの経験を振り返っても「このメソッドは本当に効果があるだろう」と思える部分が多く、子育て中の今の自分にビシバシ響きました。

「メソッド」と書きましたが、小手先のテクニックではなく、どのように相手と信頼関係を築くか、なぜ反省させることがダメなのかなどが体系的に書かれていて、とても勉強になります。

自分自身の子育てに取り入れていきたい!と思った箇所を3点、まとめてご紹介します。

この記事はこんな人におすすめ
  • 子育ての中で効果的な声かけを知りたい
  • 子育て中に意識したい関わり方を知りたい
  • 子どもが問題を起こしたとき、どのような姿勢で対話をするのか知りたい
  • 思春期など、難しい年頃の子どもへの接し方を知りたい
目次

本の概要

著者

岡本 茂樹

1958(昭和33)年兵庫県生まれ。立命館大学産業社会学部教授。臨床教育学博士。中学・高校で英語教員を務めた後、武庫川女子大学大学院臨床教育学研究科博士課程を修了。日本ロールレタリング学会理事長。刑務所での累犯受刑者の更生支援にも関わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

反省させると犯罪者になります(Amazon)

出版

  • 出版社:新潮社
  • 発売日:2013/5/17

内容

犯罪者に反省させるな―。「そんなバカな」と思うだろう。しかし、犯罪者に即時に「反省」を求めると、彼らは「世間向けの偽善」ばかりを身に付けてしまう。犯罪者を本当に反省に導くのならば、まずは「被害者の心情を考えさせない」「反省は求めない」「加害者の視点で考えさせる」方が、実はずっと効果的なのである。「厳罰主義」の視点では欠落している「不都合な真実」を、更生の現場の豊富な実例とともに語る。

反省させると犯罪者になります(Amazon)

1. 反省は「自分の内面と向き合う機会」を奪う

反省させるだけだと、なぜ自分が問題起こしたのかを考えることになりません。言い換えれば、反省は、自分の内面と向き合う機会(チャンス)を奪っているのです。問題を起こすに至るには、必ずその人なりの「理由」があります。その理由にじっくり耳を傾けることによって、その人は次第に自分の内面の問題に気づくことになるのです。

反省させると犯罪者になります(Amazon)

「ごめんなさい」「反省しています」「申し訳なかったと思います」

たとえば子どもが何か悪いことをしたとき、子どもの口からこういう言葉が出てきたとしても、それは表面上の言葉であり、ちゃんと自分と向き合った上で出てきた言葉ではないというのがこの本を通して著者が語っていることです。

これまでの人生の中で、親からよく「謝りなさい」と言われてきました。

これ、わたしの家庭が特別なわけではなく、おそらく多くのご家庭で飛び交っている言葉ではないでしょうか。

家族の誰かを傷つけた、失礼なことを言った、まわりに迷惑をかけたときなどによく言われたような記憶があります。

思わずケガをさせてしまったとか、100%自分が悪い!と瞬間的に思う場面がなかったわけではないけれど、ほとんどの場合、「わたしは悪くないのに」「なんでこっちが謝らなきゃいけないの」「相手にも悪いところはあったのに」という思いが実は心の中で渦巻いているにもかかわらず、「これを言っておけばとりあえずこの場が収まる」という思いから、反省している風の言葉を口にしてきたような気がします。

でもそれって、なんとかその場をやり過ごそうとする気持ちから出た言葉であって、自分と向き合って心の底から出てきた言葉ではないんですよね。

自分の子どもが一般的にNGだと思われていることをしたときや他人に迷惑をかけたとき、親の立場からすると「ごめんなさい」「もうしません」と言ってほしい、言わせたいと思う場面に遭遇することもあると思います。

もちろん、親として、同じことをくり返さないためにしっかり反省してほしいという思いもあると思いますが、反省の言葉を子どもが口にするだけで「ああよかった」と、とりあえず解決したような、どこかホッとした気持ちが生まれるような気がするんですよね。

でも、そこで親や教師がとるべき行動は、子どもの真意を考えるためにいったん立ち止まり、子どものほんとうの声に耳を傾けること。

何があってその行動に至ったのか、具体的な事象だけでなく、子どもの心の動きを追うことでしか、ほんとうの気持ちは分からないし、親や教師がその問いかけをしなければ、子ども自身が自分に向き合うこともないかもしれない。

子どもが大きくなると、対人関係の幅が広がり、想像もしていなかったことが起きるかもしれませんが、「反省させる」親にならないためには親側の意識が大切だと思っています。

2. 子どもっぽさを大事にしてほしい

子ども時代に「子どもっぽさ」を出せた人は、大人になっても、素直な感情を出せる人になります。素直な感情を出せることは「ありのままの自分」を出せることなので、他者との間で良い人間関係を築くことができます。

反省させると犯罪者になります(Amazon)

今、娘は2歳4ヶ月。

食事のシーンで、スプーンをうまく持つ、適量をスプーンですくえる、お皿に左手を添えるなど、これまでできなかったことができるようになった姿を見て「大人みたいだね!」と言うととても喜びます。

他にも、わたしが使うくしを「大人のくし」と呼んでいて、「今日は大人のくしで髪をとく?」と聞くととても喜んで「うん!」とうなずいたりも。

今は、大人がしていることを真似したい時期でもあるので、このような声かけを通してコミュニケーションを楽しんでいますが、この冬には妹が生まれ、姉になります。

わたし自身、妹がいて、幼い頃から「お姉ちゃんだから…」と言われる場面が多かったんです。

この言葉のあとに続くのは「我慢しなさい」「言うことを聞きなさい」「譲ってあげなさい」など。

妹のことは小さい頃から大好きだったけど、まわり(特に母親)から「お姉ちゃんだから」と言われるたびに、好きでお姉ちゃんに生まれたわけじゃないのに…と、悔しいというか、悲しいというか、なんとも言えない気持ちになったことを覚えていて。

だから、娘に対して「お姉ちゃんだから」という言葉はできるだけ使わないようにしたいと思っています。

本に書かれた内容とは少し異なる視点ではあるけれど、お姉ちゃんだから甘えたい気持ちを抑えなきゃいけないなんてことはないし、甘えたい気持ちやワガママを聞いてほしいという気持ちを我慢しなきゃと思うと、どこかに歪みが出る気がする。

娘が大人になったとき、素直な感情を表現できるようになるためには、子どもの頃からの親の声かけは重要な意味を持つのではないかと思っていて。

自分が言われ続けてきた言葉は、無意識のうちにふと口をついて出てきそうな予感がするので、夫婦でこの思いを共有して、娘に関わっていきたいと思っています。

3. しっかりした親は子どものプレッシャーになる

人間は皆、弱い生き物です。自分の弱さもダメな部分も欠点も、すべてありのままの自然な姿を見せられる親は、親自身が「ありのままの自分」を受け入れていることです。そして、「ありのままの自分」を受け入れている親の子どもは「ありのままの自分」を受け入れられます。

反省させると犯罪者になります(Amazon)

どちらかというと優等生タイプとして生きてきたわたしは、無意識のうちに「しっかりしている人」に見られなくちゃと思いながら行動してきた場面が多かったように思います。

もちろん、そんな面ばかりではなく、気を許した人には抜けていたり、ズボラな一面を見せることもありますが、わたしをよく知らない人たちからは「しっかりしてるね」と言われることが多い人生でした。

自分にこういう特性があることは分かっているので、子どもの前では積極的に自分の弱みを見せたり、弱音を吐きたいと思うときに自分に正直にその気持ちを表現することが大事だと思ってるんですよね。

無意識に「しっかりしている人」として生きてきた自分だからこそ、意識的に「ありのままの自分」を子どもにさらけ出す

わたしがこの意識を持ちながら子どもに接することで、子ども自身が「ありのままの自分」でいいんだと思ってもらうことに繋がるのではないかと思っています。

まとめ

今回は、岡本茂樹さんの「反省させると犯罪者になります(Amazon)」を読んで感じたことをまとめてみました。

受刑者の更生について書かれた本ではあるものの、子育て中であるわたしにとっても参考になる部分の多い一冊でした。

このレビューが、どなたかのご参考になれば嬉しいです^^

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この記事を書いた人

2歳、0歳の女児の母。2022年5月よりフルタイムワーママになりましたが、現在は第二子の育休中。風通しよくスッキリと、好きなものに囲まれて心地よく暮らしたい。

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