こんにちは、yukiです。
一昨年の育休中から、音声配信メディアであるVoicyを聞き始めました。
Voicyは目を使わずに耳だけで情報収集ができて、忙しく時間のない人にはぴったりのツール。
ひとりで家事をするときや移動中、最近では寝かしつけをするときにも聞いていて、今やわたしの生活に欠かせないものの一つとなっています。
そんなVoicyを創業した社長である緒方憲太郎さんが著書を出されたとのことで読んでみました。
Voicyには、芸能人やインフルエンサーの声のブログがあったり、毎日のニュースや自己啓発・ビジネス系の配信もあって、なんとそのチャンネル数は1600以上!(2023年2月現在)
とことん「話す」ことに向き合ってきたVoicyの社長だからこそ知っていること、「話す」ことだけにとどまらないコミュニケーションの極意がたっぷりと書かれていました。
話すことの大切さを前半で腹落ちさせ、後半で話す力を高めるためのテクニックを学ぶという構成になっており、話すことをあらゆる方向から解説した一冊。
構想から出版までに3年かけたとおっしゃるだけあり、これでもか!というほど濃い内容でした。
この本を読んで印象に残ったこと、実践してみたいことから3つに絞ってレビューします。
本の概要
著者
緒方 憲太郎
株式会社Voicy代表取締役CEO
新時代の話す力(Amazon)
大阪大学基礎工学部卒業後、同大学経済学部を卒業。公認会計士の経験を積んだ後、世界一周の旅に出る。その後、アメリカで会計事務所Ernst&Youngに就職。帰国後は、ベンチャー企業の支援家を経て、2016年に株式会社Voicyを創業。Voicyは2022年時点で、年約3000万時間聞かれる、日本最大級の音声プラットフォームとなっている。音声に注目する原体験は、アナウンサーの父の背中を見て育ったことにあった。現在は、「声の力」で人々の生活と社会を変え、新しいワクワクする価値を生むことを目指している。近著は『ボイステック革命 GAFAも狙う新市場争奪戦』(日本経済新聞出版)。
出版
- 出版社:ダイヤモンド社
- 発売日:2022/11/30
内容
【日本最大級の音声プラットフォームVoicy社長直伝!】
【「響く話し方」と「嫌われる話し方」の違いは?】
【声のインフルエンサー55人が明かす「自分らしく話すコツ」満載】
【著者の音声メッセージを「聞きながら読む」ことができます】本書のゴールは、「自分らしく」話をしてそのまま相手に受け入れられ好かれることにあります。
あなたが、あなたらしく話して周りに人が集まってくる。
あなたが、自分らしく話すだけで人に好かれ人生がうまく回りだす。
そんな新時代の話し方を盛りこみました。本書を読み終わったころには、あなたの人生は好転しています。
新時代の話す力(Amazon)
ぜひ、楽しみにしていてください。
1. まずは自分の話し方を知る
コミュニケーションのスキルを上げるには、最初は自分の声や話し方、聞き方のクセを知る必要があるのです。
新時代の話す力(Amazon)
仕事の一環で、自分が電話対応している音声を聞いたことがあります。
自分の電話対応を上司や同僚に聞いてもらい、気になる話し癖がないか、相手にどんな印象を与えるかなどについて客観的な評価をもらうという取組があって。
定期的かつ強制的に、自分の声を聞く機会を与えられていたんですよね。
社会人になったばかりの頃、はじめてその音声データを聞いたときは、自分が知っている自分の声とあまりにも違うので「わたしってこんな声をしていたんだ…」と軽く衝撃を受けました
業務内容が変わり、その頃のように自分の話し方を振り返る機会はなくなりましたが、当時の経験からも「自分の話し方を聞いてみる」ことは話し方を改善させる第一歩としてとても大切なステップだと思っています。
話し方に限ったことではないけれど、まずはありのままの現状を知ること、自分の立ち位置を客観的に把握したうえで、理想と現実のギャップを埋めるために何をすればよいかを考えることが大事。
はじめのうちは、自分の声に違和感を覚えたとしても、何度も何度もくり返し聞いていると慣れていくもの。
- 大勢の前で話をするとき、一対一で会話をするとき、さまざまな場面でアプリのボイスメモを使い、自分の話し方を録音する
- 録音したものを聞きながら、口癖やうなずき方のクセ、間の取り方などを本書にあるチェック項目にそってチェックする
久々に自分の声を聞くのは少し恥ずかしい気もしますが…まずは現状把握。
やってみようと思います。
2. 「自分が話す=相手の時間を奪っている」と意識する
相手があなたの話を聞いてくれるのは、当たり前のことではありません。もし、あなたの話がおもしろくなかったり、役に立たなかったりすると、聞き手にとってあなたと話した時間は、人生のムダ遣い。
新時代の話す力(Amazon)
会社の中で、自分よりも忙しそうな人と話すときには「その人の時間をいただいている」「できるだけ時間を無駄にしないように」と思いながら話をします。
結論から話す、事前準備をしてから話をする、要点をまとめるなど、できるだけ短い時間で会話が済むように心がけてきましたが、改めて考えるとこれって相手が誰でも同じですよね。
時間に制約のある中で仕事をしていると、時間の使い方にはとても敏感になります。
結論が出ない会議や、打ち合わせたいことと関係ない話を延々とする人のいる場に居合わせることを苦痛に感じる瞬間がありますし、会議が延長しても全く気に留めない人に対しては「時間に対する意識が違うんだろうなぁ」と思ったり。
でも、今ではそんな風に感じるわたしも、昔から同じだったわけではないんですよね。
子どもができて、大きく変わったことのひとつ。
誰にどんな事情があるか、自分以外のことは分からない。
だから、どんな人と話をするときであっても「今、相手はわたしのために時間を割いてくれている」という意識を忘れないようにしなきゃと、このパートを読んで改めて感じました。
もちろん、それぞれの会話には目的があるので、相手との関係作りをしたいとき、ただリラックスして会話を楽しみたいときに「できるだけ短く要点をまとめる」なんてことはしなくてもいいんですよね。
でも、たとえそれがリラックスした時間であったとしても「相手の時間を奪っている」ことは事実。
「自分が話をする=相手の時間を奪っている」ことを頭の片隅に置いておくだけで、自分が話したいことだけでなく相手の時間にも意識を向けることができる。そうなれば、話の内容や相手に与える印象も自然と変わりそうです
3. 会話の流れは「素直」でいい
会話の最初から、聞き手が素直にうなずけるような形でキャッチボールを重ねて、聞き手の期待を裏切らない流れで終わっていく。これだけで、「誤解」は大幅に減るはずです。
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話し方のパートで一番印象に残ったところ。
関西出身ということもあってか(?)、話がとてもおもしろい友人や知人に囲まれて育ちました。
- もともと考えていたのと全く違うオチだった
- 想像をはるかに超えた方向へ話が進む
- 「こっちに行くのかな〜」と思って話を聞いていたらグッと別の方向に引っ張られる
こんな風に、相手の意表をつくような角度から話をするような友人が多かったんです。
そして、こういう話ができる人たちって総じてとてもおもしろく、いつでも話題に事欠かず、まわりにいつも人が集まる人気者。
だから「話がうまい」というのは「相手の想像の一歩上をいくような、すごい話術を持っていること」を指すんだろうな、とほぼ潜在意識レベルで思っていたことに気付きました。
わたし自身はそれほど話が得意なわけではなく、むしろ関西出身にもかかわらずオチのない話をしてしまうところもあります。
なので学生の頃、友人の話に爆笑していたとき、ふと「こんなに話ができてすごいなぁ。育った環境が違うんだろうなぁ。わたしがこの人たちと同じ景色を見ることは一生ないだろうな」と、あきらめの境地に立った瞬間があったことを覚えています。
でも、ここで書かれた一節を読み、多くの人は「相手の意表をつく」という高度な技術を話し手に求めているわけではなく、「うんうん」と素直にうなずいて最後まで進む話を求めているのかもしれないということに気づきました
たしかに、自分が人と話すときのことを振り返っても、日常生活においては奇想天外な話を求めているわけではなく、素直な気持ちでうなずきながらキャッチボールができる相手の方が、話をしていて安心感があると感じることも。
これまでは「話のうまい人=巧みな話術を操る人」というイメージでしたが、そんなわたしの「話がうまい人像」の一部を鮮やかに塗り替えてもらったような気分。
まとめ
今回は、Voicy社長である緒方憲太郎さんの「新時代の話す力」をご紹介させていただきました。
リアルな対話だけではないコミュニケーションが当たり前になった今、これからますます話す力が大切になる…というのは、わたしも仕事をする上で感じること。
伝わる、聞く、場を作る力を磨くため、わたしはまず、自分の話し方を知るところからはじめます。
このレビューが、どなたかのご参考になれば嬉しいです^^
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