「いのちをむすぶ」佐藤初女 | 日本のマザー・テレサ、最期の言葉

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こんにちは、yukiです。

さまざまな人が取り上げられ、いろんなところで目にしたことがあった佐藤初女さんの著書を、はじめて手に取ってみました。

佐藤初女さんは「日本のマザー・テレサ」と呼ばれ、あらゆる悩みを抱えた人たちを、あたたかい食事でもてなし、訪れた人々に寄り添い続けた方、生涯かけてとても尊い活動をされてきた方です。

お恥ずかしながら、本書を読むまで、こんな活動をされている方が現代の日本にいらしたことさえ知らず、世の中には自分が知らないことがまだまだ溢れているんだろうな……と改めて感じているところです。

初女さんのことば一つ一つはとても深く、ゆっくりと時間をかけて噛みしめたいと思うものばかりでしたが、この記事では今の自分に響いた3箇所についてご紹介します。

目次

本の概要

著者

佐藤 初女

1921年10月3日、青森市生まれ。小学校教員、弘前染色工房を経て83年、“弘前イスキア”を、92年、“森のイスキア”を開設。迷い、疲れ、救いを求めて訪れる人に食事を供し寄り添うことで、多くの人々の再生のきっかけとなってきた。その活動は、95年、ダライ・ラマ法王らとともに出演した映画『地球交響曲第二番』(龍村仁監督)で広く知られるようになる。2016年2月1日逝去。

いのちをむすぶ(Amazon)

出版

  • 出版社:集英社
  • 発売日:2016/3/4

内容

「食はいのち」と、悩み、疲れ、重荷を背負って訪れる人々に手作りの食事をふるまい、ただ寄り添う――
青森県弘前市。岩木山のふもとに佇む小さな建物〈森のイスキア〉での活動を中心に、いのちの大切さを伝える講演会やおむすび講習会などで世界中から求められてきた佐藤初女さん。

去る2月1日、天に召された初女さんが、人生を通じて伝え続けていらしたこと、多くの人々の救いとなってきたお心を66の短いメッセージとし、20年来の交流がある写真家・岸圭子さんの美しいカラー写真とともにまとめました。

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1. 口をはさまず、相手の心に寄り添う

聴くことを大事にしています。

先入観を持たず自分を空っぽにして、相手の心に寄り添い、ただ一心に耳を傾けるのです。

はたから見ればたいしたことでないと思うようなことでも、その方が感じている重みのままに受けとめます。 自分の考えと違っても、途中で言葉をはさみません。

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「その方が感じている重みのままに受けとめる」

シンプルな言葉で書かれているけれど、本当の意味で相手の心に寄り添っていないと、相手が感じる重みを同じように感じることはできません

そして、つい自分の言葉を挟みたくなるのをグッと我慢して、自分の考えは口にせず、ただ相手の話を聴くというのも、簡単なようでいてとても難しい。

「相手の心に寄り添って話を聴く」ということは、小手先のテクニックでどうこうできるものではなく、常日頃から意識し続ける中で次第にできるようになっていくもの、訓練が必要なものだと思っています。

話を聴く側が寄り添ってくれているかどうかは、少し話せば相手に伝わってしまうものですから。

多くの人が初女さんに打ち明けるような悩みに触れる機会は、自分の日常においてそれほど多くないかもしれない。

それでも、家族や友人と話すとき、何気ないやりとりの中でも「口をはさまず、相手の心に寄り添う」ことを意識する回数を増やしていくと、その空気感がまわりにも伝わり、この人に話してみようと思えるような人になれるのかなぁと思ったりします。

「聴くこと」についてはこちらの本もオススメ

2. 考えるのではなく、動くこと

自分で納得して答えが出せた人は、すぐに行動に移ります。まわりが驚くほどに、あっさりと変わって行きますよ。(略)

お水もじっととどまっているとくさってしまうでしょ。心もまた同じで、動くことによって生かされるのです。

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いくら頭で考えていても、動かなかったら何も変わらない。

頭でっかちになりやすく、考えすぎてしまうわたしにとって、戒めとも思えるような言葉。

一方で、感じたことや考えていることをふわっとした状態で置いておくのではなく、それを「言語化する」というプロセスも大切なことではないかと考えています。

でもそれは、頭の中であれこれこねくり回して考えるというのではなく、自分が体験の中で感じたことを適切な言葉に落とし込んで、自分の感情を言葉で認識するということ。

そのように言語化したら、その感情を自分の心の中だけにとどめておくのではなく、次は一歩手足を動かして、自分のまわりの空気を動かしていくことが大事なんだなと、改めて感じます。

3. 人はいくつになっても航海の途上

私も、もっともっと働きたいと願っています。人はいくつになっても航海の途上にあるのですから、一歩でも半歩でも進み、少しでも広がっていきたいのです。もうできないと悲観するのでなく、希望を持って次の展開を待っています。

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このあとがきを書かれた直後に逝去された初女さん。

94歳(!)になられても、自分はまだ「航海の途上」であり、もっと進んで広がっていきたいとおっしゃるお気持ちには、心から尊敬の念しかありません。

わたしには今、2歳半の娘がいて、あと数週間のうちには出産して新生児のお世話が始まるというタイミング。

自分自身ではなく、子どものお世話に手をかける時期です。

でも、子どものお世話は一生続くわけではなく、子どもはそのうち手を離れていく

子育てが落ち着き、自分自身に時間やエネルギーを注ぐことができるようになったときには、人生が終わるまで航海の途中だという意識を持ちながら、初女さんのような心を忘れずに生きていきたいと思ったりします。

まとめ

今回は、佐藤初女さんの「いのちをむすぶ(Amazon)」を読んで感じたことをまとめてみました。

このブログには書き切れませんでしたが、初女さんの金言が詰まっていて、どんな状況に置かれている方にもどこか響く箇所がある、豊かな一冊だと思います。

少し立ち止まって、人生を感じたい方にオススメです。

このレビューが、どなたかのご参考になれば嬉しいです^^

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この記事を書いた人

2歳、0歳の女児の母。2022年5月よりフルタイムワーママになりましたが、現在は第二子の育休中。風通しよくスッキリと、好きなものに囲まれて心地よく暮らしたい。

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