「やめる時間術」尾石晴 | 24時間を自由に使えない人のための一冊

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こんにちは、yukiです。

以前、ワーママはるさんこと尾石晴さん(以下、はるさん)が書かれた本についてレビューを書きました。

今回ははるさんの2作目、「やめる時間術 24時間を自由に使えないすべての人へ」を読みました。

フルタイム勤務、そしてワンオペで二人の男児を育てるはるさんが、どのような過程を経て自分時間を作れるようになったのか。

まずは引き算できる時間を見つけて、空いたトコロへ自分の人生が豊かになるものを足していくという順番で進めるのがコツだそう。

この具体的な進め方が、はるさんの経験談とともに書かれています。

わたし自身も育休から復職し、時間の使い方については自分なりに工夫してきたつもりでした。

それでも、前書きを読むと「何としてでも自分の時間を作る!」とわたしよりもずっと時間の使い方について切実な思いを抱え、徹底的に考え抜き、実際に満足のいく時間の使い方ができるようになった人の目線で書かれた本であることが分かり、俄然内容に興味が出たんですよね。

また、同じく前書きには「巷の時間術は、24時間を自分の好きに使えるような方を対象に書かれていることがほとんど」と書かれていて「たしかにそうかもしれない…」とハッとしました。

内容もさることながら、前書きの吸引力がすごく、内容を読む前からぐいぐい引き込まれました

著者と同じく、フルタイムで仕事復帰したわたしにとって印象に残ったこと、自分もやってみたいと思ったことを3つに絞ってレビューします。

目次

本の概要

著者

尾石 晴

外資系メーカーに16年勤務し、うち6年は管理職として活躍。長時間労働が当たり前の中、「分解思考」で時間を捻出。ワンオペ育児をこなしながら残業0時間を達成し、チームを社内表彰に導く。
その傍ら、発信業・不動産賃貸業・ヨガインストラクター、メンタルオーガナイザー、ライフオーガナイザーなど、会社員以外での収入経路を次々と確保。2020年4月に会社員を卒業し、サバティカルタイムに突入。
音声メディア「voicy」では1000万回再生超えを記録し、トップパーソナリティとして活躍中。

やめる時間術(Amazon)

出版

  • 出版社:実業之日本社
  • 発売日:2021/1/18

内容

“長時間労働×ワンオペ育児”の中で編み出した誰でも再現可能なタイムスキルの全てがここに!

やめる時間術は3つの力がポイント
1 見える化力
2 引き算力
3 足し算力

やりたくないこと/やったらいいこと

100%やらないを心がけましょう。

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1. 見える化の一歩先にまで踏み込む

《見える化手順》
1. 24時間タイムログで時間を見える化する

2.ふせんで細分化する

3.使った時間に成績をつける

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育休中、自分の時間の使い方を見える化してみようと思い、それぞれの家事にかかる時間を測ってみたことがありました。

  • 掃除機をかける
  • 洗濯物をたたむ
  • 洗顔する
  • 料理をする

毎日くり返し行っていることなのに、それぞれにどれくらいの時間を費やしているかを知らず、「思った以上に時間がかかっていたんだ」とか「重労働だと思っていたわりにそんなに時間を使ってないんだな」など気づくきっかけに。

また、つい先日は仕事の中で何にどれくらい時間を使っているかを知ろうと思い、何日かログをつけてみたこともありました。

実際に時間を測ってみると、全く意識していなかったことに気づいたりして、家事と同じく「なるほど〜」と思う部分を見つけたりもした、のですが……

自分がどのように時間を使ったかが分かっただけで、劇的に時間の使い方が変わった!という自覚を持つには至らず、何か手立てはないかなぁと探し、この本を手に取ってみたのです。

この本を読んで気づいたのは、記録をつけて見える化することはファーストステップとして大事だけれど、わたしの場合はそこで終わってしまっていたのが問題だったということ。

はるさんが言う「成績をつける」というステップまでたどり着いていなかったので、次に活かすことができなかったのかな、と。

また、たとえば「メールの返信をする」ひとつとっても、読む、内容を理解する、調べる、返信の内容を考える、実際にメールの文章を書くなど実はいくつかのステップに分かれているんですよね。

なので、特に時間がかかっていると分かった項目については、その作業自体を細分化して、本当に時間がかかっているのはどこなのか、その時間をどうやったら短くできるのかまで掘り下げて考えると、タイムパフォーマンスの向上につながりそう!と感じています。

作業を細分化して、それぞれに成績をつける。やってみようと思います。

2. 時間の使い方は自分で決めると後悔しない

何をしているのかわかっていない「蒸発時間」も私の選んだ行動であるし、色んなことに追われているのも「自分が決めた結果」です。

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この一節を読んで思い出したのは、学生の頃にヨーロッパを一人旅をしていたときのこと。

「数独」というパズルゲームを現地で知り合った人から教えてもらい、どハマりしたことがありました。

新聞や雑誌にも載っているこれ

ヨーロッパの駅のkioskには、どんなに小さなお店でも数独の本が置かれていて、一冊が終わるたびに本屋さんかkioskへいき、次の数独本を手に入れてはせっせと解く…というのをくり返していたんです。

せっかくヨーロッパまで来ているんだから、街を歩いたり、美術館へ行ったり、地元の人と交流したり、ここでしか味わえないことをした方がいい」と頭では分かっているのに、ついつい時間ができたら数独をしてしまう。

電車での移動中はもちろん、公園やカフェで日記を書こうと思っていてもつい数独本を取り出してしまうし、歩いているときもずっと数字が頭の中をぐるぐる…

「こんなわたしイヤだ」と感じながらも、もはや中毒のようになっていたのでどうすることもできず、スペインに滞在していたある日、「今日は宿にこもってとことん数独をしよう」と決めたことがありました。

寝ても覚めても数独のことばかり考えてしまうという状態なので、このまま街歩きをしてもきっと思い出は残らない。

それであればいっそ、食べる寝る以外の時間すべてを数独に費やす方が「飽きた」「数独はもういい」となるんじゃないかと思ったわけです

その日は朝から、ホステルの部屋に閉じこもってずーっと数独。

朝はパンとフルーツを食べ、お昼には、前日にスーパーで買っていたチーズとハムをパンにはさんで食べ、途中にはプラムをかじりながらビールを飲み、ひたすら数独をやり続けたところ、日が落ちて部屋が暗くなり始めた頃になってやっと「体も疲れたし、とりあえずもういいかな」と思い始めて。

そこから街に出た時の空気のおいしさ、解放感は今でも忘れられません。

わたしがこの経験を通して学んだことは3つ。

  1. 他人から見て(ときには自分から見て)どれだけ無駄に思える時間であったとしても、自分でこれをすると決めたのであれば後悔することはなく、むしろよい思い出になる可能性もあるということ。
  2. 同じことをやるにしても、そこに目的や意図があれば自分にとっては意味のある時間になるということ。
  3. 時間の使い方を意識する、意識しないの選択は自分で行っているということ。

当時、ここまで言語化できていたわけではないけれど、だらだら過ごしたいと思ったとき、SNSやテレビを見たいと思ったときなど、時間をどう使おうかと考えるときに、この日のことをふと思い出したりします。

蒸発時間」という言葉から連想したことをつらつら書きましたが、育休から復帰してフルタイムで働くようになった今、時間を活かすも溶かすも自分次第だということは改めて感じます。

何をするにしても自分で時間の使い方を決めれば後悔はしない。これからも大切にしたい考え方です。

3. 「5秒で決める」をやってみる

どんな悩みでも、決断しないとずっと頭の中に残り続けます。ワーキングメモリーがずっと働いている状態になるため、タイムパフォーマンスの邪魔になります。(略) 私のオススメは「5秒以内に決める練習をする」ことです。

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ケンブリッジ大学で行われた研究によると、人は1日に最大35,000回の決断をしているそう。

  • どの服を着よう
  • 雨が降りそうだから傘を持って行こうかな
  • 次の電車に間に合いそうだから走ろう
  • どこで発言しようかな
  • どんな風に返信しよう

少し考えるだけでも、選択する場面っていろいろと思いつきますが、35,000回ってすごい数字だし、子どもが小さい間は特に、本人の代わりに子どもの選択を親が行うという実態を考えると、子どもを育てる人はさらに多くの決断をしていることになります。

日々のあらゆることを仕組み化したり、選択肢自体を減らすなど選択の回数を減らす工夫をすることも大事だけれど、「今日は選択回数を減らそう!」と思ってすぐにできるものではなかなかないですよね。

それであれば、さほど重要ではないことは5秒以内に決めるという考え方はとても良いな、と。

ということで、先日会社の同期とランチへ行ったとき「5秒で決める」を実践してみました。

メニューの選択肢が10個近くあったので一瞬ひるみましたが「1、2、3、4、5」とカウントし、なんとか5秒ですべり込み。

ランチのメニューなどであれば「あれにすればよかった…」と後悔することもないので、決断する練習としてとても良さそうだな、と思っています

まとめ

今回は、尾石晴さんの「やめる時間術」をご紹介させていただきました。

タイトルにもありますが、小さな子どもや介護など、お世話が必要な人がまわりにいる方は、働いていても働いていなくても24時間を自由になんて到底使えないんですよね。

だからと言って「この期間は仕方がないと思って我慢しなきゃ」と自分に言い聞かせるのではなく、自分時間がほしいと思う人は行動してみればいいと思うんです。

そんな、24時間を自由に使えない人たちに向けて、リアルな体験談とともに具体的なやり方を伝えてくれる本書は、少しでも自分の時間を作りたいと願っているわたしにとって、とても参考になった一冊でした。

このレビューが、どなたかのご参考になれば嬉しいです^^

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この記事を書いた人

2歳、0歳の女児の母。2022年5月よりフルタイムワーママになりましたが、現在は第二子の育休中。風通しよくスッキリと、好きなものに囲まれて心地よく暮らしたい。

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